コンパクトミキサーの使い方をマスターして快適なDTMライフを!
DTMで音楽制作をするにあたって、必要不可欠ではないものの、あるとなにかと便利なコンパクトミキサー。
今回の記事では、コンパクトミキサーを使用すると何ができるのか、また、どのように使えば良いのか、などに着目して解説していきます。
リハーサルスタジオなどに置かれているパワードタイプのPAミキサーの使用方法については以下の記事をご参照ください。
PAミキサーの基本的な使い方をマスターして快適なリハーサルを!
コンパクトミキサーにはエフェクト内臓のものや、入出力数が豊富なもの、オーディオインターフェース機能を持ったもの、など様々ありますが、今回は最もシンプルな6入力2出力のミキサーYAMAHA MG06を例に取ってご紹介していきます。
もくじ
コンパクトミキサーの使い方
コンパクトミキサーを使ったDTMワールドのご案内の前に、しっかりと使用方法を確認していきましょう。
早速YAMAHA MG06を例にとって、コンパクトミキサーの各セクションごとに画像を交えてご紹介していきます。
MG06はコンパクトミキサーの中でも一際小型軽量で置き場所を選ばず、YAMAHA製機器の特徴でもある「色付けなし」というところが引き継がれているため、DTM用のコンパクトミキサーとしては大変オススメできる製品です。
インプットセクション
画像の枠で囲われた部分がインプットセクションです。
1/L・2/R入力
こちらの2つの入力はMIC/LINEの表記の通り、バランスマイク入力とバランスライン入力両対応の端子です。入力GAIN値は後述のPADを組み合わせることで-6dBから+64dBまでの70dBをカバーします。
端子形状はコンボ入力端子と呼ばれる、マイクロフォン接続用のXLR端子と楽器類やオーディオプレイヤーなどを接続するフォーン端子(標準端子)が合わさった端子です。
YAMAHA製品のコンボ入力端子は、XLRとフォーン側に電気的な接点がなく、後述のファンタム電源がフォーン側に印加されることがありません。
3/4・5/6入力
こちらはマイク入力非対応のアンバランスライン入力端子です。
3または5の入力端子のみにケーブルが接続された場合はモノラル入力として、3/4または5/6の両方にケーブルが接続された場合はステレオ入力として機能します。
また、入力GAINの調整が-10dBu固定となっています。
PADスイッチ
1/L・2/R入力に備わっているPADをON/OFFするスイッチです。
PAD ONの状態では、インプットに接続された入力信号が26dB減衰します。
ラインレベル出力機器と接続する場合にはPAD ONで、マイクロフォンなどの低出力レベル機器と接続する場合にはPAD OFFで使用するのが一般的です。
また、26dBというと、GAINツマミの半周分位のレベル差となります。
このレベル差がスイッチ一つで跳ね上がってしまい(PAD ON→PAD OFF時)後続機器の故障の原因となるため、PADを操作する時には、あらかじめチャンネルのボリュームツマミを絞りきっておきましょう。
HPFスイッチ
HPF=ハイパスフィルターのON/OFFを切り替えるスイッチです。
MG06では80HzからHPFがかかる仕様です。
低域が不要な楽器や、マイクロフォンを接続した際にHPFをONにすると、80Hz以下の信号がカット(ロールオフ)され、すっきりとしたサウンドが得られます。
モノラルチャンネルセクション
ここからは1/L・2/Rに接続された信号の流れを追っていきます。
GAINツマミ
入力端子に入ってきた入力のレベルを調整するツマミがGAINです。
時計回りに回すと大きくなり、反時計回りに回すと小さくなります。
時計の文字盤で言う10時方向の目盛りが実線になっている部分は多くのマイクロフォンの適正入力GAINとなっています(PAD OFF時)。
レベル調整に慣れないうちはこの目盛りを基準にするとよいでしょう。
HIGH/LOWツマミ
2バンドの簡易的なEQツマミです。
周波数はそれぞれ、HIGH=10kHz、LOW=100Hz固定のシェルビングカーブです。
MONO/STEREOスイッチ
MONO/STEREOスイッチをON(押された状態)に設定すると、1/LチャンネルがPANのL側振り切り、2/RチャンネルがPANのR側振り切りになります。
MG06はこのスイッチを切り替えることで、2モノラル入力・2ステレオ入力から3ステレオ入力のミキサーに切り替わります。
PEAKインジケータ
入力からGAIN、EQを通過した信号のレベルが許容レベルを越えると点灯します。
PEAKが点灯している状態では、入力信号は歪んで、原音とは異なる音になってしまいます。
よほど特殊な効果を狙う場合以外はこのインジケータを点灯させないようにしようしましょう。
なお、後述のLEVELツマミを操作してもPEAKは解消されません。
PADスイッチとGAINツマミを調整しましょう。
LEVELツマミ
通常のミキサーではフェーダーが備わっていることが多いチャンネルボリュームですが、MG06では省スペース化のためロータリーフェーダーが採用されています。
このツマミを使用して、GAINでレベル設定がされ、EQで音質補正がなされた信号を後段のバスに流すレベルを設定します。
細かい目盛りは振ってありませんが、時計の文字盤3時方向の▲がノミナルレベル、入力信号=出力信号となる基準点になっています。
ノイズの多さを表すS/N比、周波数特性的な観点からもノミナルレベル近辺で使用するのが望ましいです。
ここを3時方向に調整するためには、PADとGAINでしっかりとレベル調整がなされていることが必須となります。
ステレオチャンネルセクション
続いてはステレオ入力である、3/4・5/6に入力された信号の流れを追っていきます。
3のみ、あるいは5のみに入力された信号はモノラル信号としてPANのセンターの位置に定位します。
LEVELツマミ
3/4・5/6のライン入力にインプットされた信号のレベルを設定します。
このセクションにはGAINツマミやEQがついていないため、入力信号のレベリングや音質補正を行うことはできません。
こちらも3時方向が基準点となっています。
GAIN調整ができないため、接続した機器の出力レベルを調整しましょう。
また、YAMAHAの親切心と省スペース化の弊害(?)で2/RチャンネルLEVELツマミ隣のツマミが5/6チャンネルLEVELツマミになっています。
3/4チャンネルLEVELツマミは5/6チャンネルLEVELツマミの上段に配置されているので間違えないように注意しましょう。
実際にモノラル2入力、ステレオ1入力を扱う場合には、1,2,5,6とチャンネル割をするのがオススメです。