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マイクの正しい持ち方・使い方
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マイクの正しい持ち方・使い方

マイクの持ちかた

今回は普段のライブやカラオケ、MC・司会などの際に、知っておくと得をするマイクの持ち方・使い方を解説したいと思います。

まず知っておきたいポイント

音=空気の振動

「音」と言うのは、音源から出た音が空気を振動させ、空気の変動を起こし空気中を伝わります。

一度、声を出すときに口に手を当ててみて下さい。

小さい風が発生しているのではないでしょうか。

その風がまさに空気の振動なのです。

ちなみに音が伝わるのは空気が存在するためなので、真空の状態では音は伝わりません。

ハウリングとは?

「音が回る」や「ハウる」と表現されることが多い現象です。

ライブ中やスタジオ練習中に「キーン」や「ブーン」と不快な音が鳴る時はハウリングの状態です。

マイクをスピーカーに近づけると、スピーカーから出力される音を拾う→それがまたスピーカーから出力される…といった電気信号的なループ現象が起こります。

多くの場合その音は不快感を伴う中~高周波の「ピー」「キーン」といった音であるが、比較的低い「ブーン」「ボー」といった音の場合もある。連続的な過大入出力が起こるため、場合によってはスピーカーが破損するなど、機材にダメージを与えることもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハウリング

マイクには指向性がある

マイクの指向性=音源の方向によるマイクの感度のことです。

単一指向性マイク

マイクトップの背面・側面からの音は拾いにくい性質を持ちます。

大音量の環境では、ハウリングを押さえる特徴を持ちます。

多くのボーカルマイクはこの指向性です。

無指向性マイク

どの方向からの音に対して同じ感度を持っています。

通常レコーディングなどで使用されるマイクのことで、ハウリングに弱いためライブなどには向いていません。

レコーディングなどで使用されるマイクに多いタイプです。

近接効果

マイクに音源が近づくと低音が強調される現象のことです。

参考:ドップラー効果・カクテルパーティー効果・音の不思議あれこれ

正しいマイクの持ち方・扱い方

マイクグリル(金属メッシュの部分)を塞ぐのはNG

振動板_1

振動板_2

ボーカルマイクの後側面には、空気を通すよう隙間があり、そこでマイク内部の振動板と呼ばれる音を拾う装置をコントロールして指向性を確定させています。

通常、ボーカル用マイクは正面から入る音だけを拾う構造の「単一指向性マイク」になっています。

これを手などで覆い塞いでしまうと「無指向性マイク」と変化してしまうため、周りで鳴っている音を拾いやすく、声だけの収音が難しくなったりハウリングを起こす原因になってしまいます。

正しいマイクの持ち方_2

正しくないマイクの持ち方_1

マイクには正しい持ち方があります。

マイクグリルは絶対手で覆わないように持ちましょう。

マイクの角度・口との距離

正しいマイクの角度_1正しくないマイクの角度_2

ボーカルマイクのような単一指向性マイクは音を一方向からしか収音できません。

つまりマイクの角度が口に対してまっすぐではないと音をしっかり収音できませんので、マイクが口の正面にくるように持ちましょう。

口との距離でも音が変わります。

例えば大きな声ではマイクを離し小さな声では近づけてしゃべるようすると、それだけで音量バランスが均一化するため、聞き手にとって非常に聴きやすいバランスとなります。

基本的にはしっかり口を近づけるようにしましょう。

様々な状況や場面によって影響はありますが、バンドの大きいサウンドの中でささやくように歌う箇所・静かな声で話すMCなどの場面は、マイクに唇がくっつくぐらい近づいてもいいと思います。

実際スピーカーから鳴っている音をしっかり聞いて調整できるのがベストですが、これに関しては普段の練習での慣れしかありません。

ライブハウスなど音響設備の整った施設では、マイクに声をしっかり入力できれば他の音とのバランスや音質をPAさんが調整してくれますので、まずは自分の声を知り、マイクの距離や角度をコントロールする意識をしましょう。

マイクをスピーカーに近づけないように

スピーカーハウリング_1

マイクをスピーカーに近づけるとハウリングの原因になります。

スタジオのモニタースピーカーや、ライブの際に足下にあるスピーカーには、マイクを近づけないようにしましょう。

マイマイクは持っている方がよい

安定したコンディション、扱い慣れる、持ち方に慣れるためにも、マイマイクを持っておくことをオススメします。

普段の練習やリハーサルでもマイマイクを使うことで、本番のライブステージでもストレスなく使用することができます。

参考:ボーカルマイクのおすすめ。種類と選び方

SHURE SM58

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http://blog.goo.ne.jp/athlon2005/e/d6eec792933127f09bf5bb711aaf4d99

ライブハウス・音楽スタジオには必ずと言っていいほど常備している業界標準の定番マイクです。

ライブハウスのPAさんも使用することに慣れているマイクです。

ただ定番が故、使用頻度や経過年数も違いコンディションがバラバラのところも多いです。

マイマイクとしてはじめに持っておくことで、これからのマイク選びの基準にしてみてはどうでしょうか。

ボーカル以外の用途にも十分応用できるマイクです。

AUDIO TECHNICA AE6100

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http://www.audio-technica.co.jp/mi/show_model.php?modelId=2522

ボーカル専用にチューニングされた仕様で、ボディを二重構造となっており、手で持った時のノイズを低減しているので、激しいライブパフォーマンスにも活躍します。

高音域の音抜けもよく、女性の方にもオススメのボーカルマイクです。

AKG D7

D7

http://leglyn.com/store/cats/19

ノイズも少なく安定のパフォーマンスを得ることがでるマイクです。

ダイナミックマイクですが、超単一指向性のマイクで周りの不要な音が入らない分、しっかり口をマイクに近づけないとクリアな音が収音できませんので注意が必要です。

AUDIX OM6

images

http://www.micsdirect.com/audix_om6.htm

人間の声の帯域をしっかり表現してくれるマイクです。

少し収音帯域が広いので、アコースティックや弾き語りなど楽器編成が少ないパフォーマンスの際、威力を発揮するマイクです。

最後に

「自分の声を会場に届けるんだ!」と自信を持ってマイクを扱い歌うようにしましょう。

少しでも参考になれば幸いでございます。

ライタープロフィール

中尾きんや

スタジオラグ

中尾きんや

スタジオラグスタッフ

ウェブサイト:https://www.studiorag.com

Twitter:kin_kinya

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