【DTM初心者のための】Logic Pro(ロジックプロ)の使い方。MIDI打ち込み〜楽器の選択
Apple社が製造、販売している高機能DAW「Logic ProX」の操作や、覚えておくと便利なコマンドなど順を追ってわかりやすく説明させて頂いています。
第2回となる今回は、前回のインストール編の続きとして、DTMの基本となるピアノロール画面でのMIDI打ち込みの基本を紹介させて頂きます。
もくじ
MIDIを打ち込んでみる
また今回から、ショートカットキーを各種紹介する際に使用する単語をまず説明させて頂きます。
- ⌘ → commandキー(※macのみ)
- Ctrl → controlキー
- Opt → optionキー
- Shift → shiftキー
この4種キーを、数字キーやアルファベットキーと組み合わせたりする事でショートカット操作を表します。
例→ピアノロール[P]/ トラックを複製[⌘+D]/ 鉛筆ツール[T→P](Tを押してからPを押す)
それでは以上を踏まえて本格的な操作説明に移ります!
ではまず、前回の記事の最後で説明させて頂いた、「Vintage Electric Piano」を読み込んだトラックを一つ用意して下さい。
用意して頂けたら、ピアノロール[P]を開きます。
第一回で説明させて頂いた通り、ピアノロール画面に縦に並んでいる鍵盤を押せば音が鳴りますね?
しかしこれでは思いついたメロディやフレーズを記録できないですよね。そこで、それらを形にする為に「MIDIリージョン」が必要になります。
「MIDIリージョン」とは、MIDIノートの入れ物で、Logicではこれが無いとメロディを形にする事が出来ません。
リージョンを作成するには?
[T]を押してみて下さい。このような表示が出るはずです。
これはツールキーと言って、行いたい操作ごとに必要なツールに切り替える際に使用します。
各ツールの名前の右側に書いてあるのがショートカットです。例えば[T]を押してツール一覧を出した後に[P]を押すと「鉛筆ツール」に切り替わる、という具合です。
では、鉛筆ツール[T→P]に切り替えて頂き、ワークスペースをクリックしてみて下さい。(ワークスペースとは画像の赤線で囲まれたエリアのことです)
緑色の四角い箱が出ましたね?これが、「MIDIリージョン」です。
ダブルクリックするとピアノロールが開いたり閉じたりしますが、これはクリックしたMIDIリージョンの中を表示しているという事です。
では、作成したMIDIリージョンのピアノロールを鉛筆ツール[T→P]でどこでもよいのでクリックしてみて下さい。
横長の棒が出現しましたと思います。
これが、「MIDIノート(以下ノート)」と言われる、DTMにおける音符です。
これを大量に打ち込む事で、メロディやハーモニーを作っていくのが、DTMの基本となります。
MIDIノートとピアノロール画面に関する便利な操作
これでようやくノートを打ち込む事が出来ました。極端な話、もうここまでの操作を覚えてしまえば作曲を始める事が出来ます。
ですが、このタイミングでこれからずっと編集することになるであろうこのMIDIノートに関する便利な操作をご紹介したいと思います。
音符の長さを変えたい
ノートの右端を掴みます。この時ツールはなんでもよいです。
掴んだまま右に引っ張ればビヨーンと伸びてくれます。
複数のノートを同時に選択したい
ポインタツール[T→T]でピアノロールの空白部分をクリックして、選択したいノートの部分までドラッグ。
または、[Shift]を押しながら複数選択したいノートをポインタツールもしくは鉛筆ツール[T→P]でクリック。
リージョン内のすべてのノートを選択したい
ピアノロール領域内で[⌘+A]。
間が空いた2つ以上のノートの間を繋げる(レガートにする)
レガートしたいノート同士を選択して、[Shift+¥]。
選択したノートだけミュート(鳴らないよう)にしたい
ミュートしたいノートを選択した状態で、[Ctrl+M]。
選択したノートをピアノロール1目盛分だけ上/下に移動させたい
上下させたいノートを選択した状態で、[Opt+↑/↓]。
選択したノートを1オクターブ単位で上下させたい
上下させたいノートを選択した状態で、[Opt+Shift+↑/↓]。
全く同じ長さ、同じベロシティのノートを複製したい
[Opt]を押しながら、ポインタツールまたは鉛筆ツールでノートをドラッグ。
ベロシティを変えたい
ベロシティを変えたいノートを[⌘+Ctrl]を押しながら上下にドラッグ。
「ベロシティ」とは、音符の強さの事です。同じ「ド」の音でも、弱い(小さい)音と強い(大きい)音がありますが、DAWではその音の強弱をベロシティという数値で表します。
これを変える操作方法は様々で、ベロシティツール[T→V]で変えるのが一般的かもしれませんが、筆者は[⌘+Ctrl]+ドラッグを推します。
私がこの操作方法を推す理由は、この操作だとツールキーをベロシティ以外のツールに設定していても、[⌘+Ctrl]を押している間だけベロシティツールになってくれるからです。
つまり、いちいち[T→V]を押してベロシティツールに切り替え、操作が終われば鉛筆ツールに戻すという手間を省けるからです。
他にもたくさんありますが、まずはこれらの操作を覚えておくと便利だと思います。
が、「全部覚えないと…」と気負う必要はありません。
何故なら、触っていく内に必要な操作は自然と体が覚えるからです。
なので、まずはMIDIノートを打ち込む方法だけを確実に覚えて下さい。それだけあればまずは十分です。
追加音源のダウンロードとソフトウェア音源の基本説明
さて、それではノートの打ち込みに関する操作を説明させて頂きましたので、DTMの主役であるソフトウェア音源について説明させて頂きます。
しかし、Logicに付属している高性能な音源を全て使用するにはそれらをまずダウンロードしなくてはいけません。
画像のように、購入したてのLogicでは、追加コンテンツのダウンロードという項目を選ぶ事ができます。
これが結構な量で、PCの容量に余裕が無いと厳しいかもしれませんが、なんとか要領を確保して、
「インストールされていないコンテンツを全て選択」して下さい。
ちなみにこれら全ての追加コンテンツは無料でダウンロード、インストールができます。
では、そのダウンロードが終わった前提で、ここから先は説明を進めさせて頂きます。
インスペクタの音源スロット(E-Piano)と書いてある部分の右端をクリックし、音源一覧を引き出して下さい。
沢山の音源がありますが、まず覚えて欲しいのは大きく分けて2種類の概念。
シンセサイザーの回路をシミュレートし、1から音を合成する「モデリングシンセサイザー」。
代表として、今回は「ES1」を選択します。
スパイダーマンの悪役みたいな配色の画面が出たと思います。
これが、ES1です。Logic付属のシンセサイザーとしては比較的シンプルな構造で、最初にシンセサイザーの事を学ぶにはちょうどよいと思います。
画面左上、「デフォルト」と書いてある部分をクリックすると、プリセットの読み込み画面が出ます。
プリセットとは、すぐ使えるようにあらかじめ音作りされたパッチの事で、これを読み込む事でシンセサイザーの音造りがわからなくてもかっこいい電子音をすぐに出す事が出来ます。
当然、読み込んだプリセットのパラメータを操作し自分だけの音を作る事も出来ます。
その他シンセサイザー自体の各パラメータは非常に長くなってしまうので今回説明は省かせて頂きます。
そしてもう一つは実際の音を録音し、それを読み込み鍵盤を弾く事で再生する「サンプラー」。
モデリングシンセとの違いは、こちらは録音された音をそのまま使用しているので、基本的に音は変えられないという点。
しかし実際の音を録音しているので、ピアノやヴァイオリン等の楽器を使いたい時はこちらを使用する事になるでしょう。
ではそのサンプラーを読み込んでみましょう。「EXS24」を選択してください。
先ほどのES1と同じように、左上に「デフォルト」がありますが、サンプラーの場合ここから音源を呼び出すことはしません。
画像の赤丸部分をクリックし、下部の「factory」を選択してください。これがEXS24のプリセットにあたります。
以上2つが、まず覚えておいて欲しい音源の種類です。