レコーディングやライブで役に立つマイクの選び方
ライブやレコーディングなどでマイクをレンタルされる方も多いので、今回はマイクについてお話したいと思っております。
もくじ
マイクって?
音は空気の振動です。
マイクとはそれを電気信号に変換するための音響機器です。
目に見えない空気の振動を電気信号に変換してやれば、あとは伝達、加工、記録できます。
普段聴いてる音楽や音は、このマイクを使って収音されたものがほとんどです。
マイクの特性を知り、どう扱うかが重要
高価な良いマイクであってもその目的とマッチしないと効果は最大限発揮できません。
使用状況をイメージし、他の音響機器との組み合わせて初めて「目的の音」が実現します。
ダイナミックマイク、コンデンサーマイクって?
大きく2つに分けるとマイクの種類は「ダイナミックマイク」「コンデンサーマイク」の2種類に分けられます。
ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは電源が必要なく、ミキサーに直接接続するだけで音の入力が可能です。
耐久性に優れており、湿度や温度変化にも強く、大音量でも歪みにくいですが、高音域に反応しにくのが特徴です。
メリット
構造が単純なため、衝撃や湿度に強く安価に入手可能です。
動作に電源はいりません。
デメリット
高音域に弱く入力音量が小さいため、マイクを近づけないと音が拾えないのが特徴です。
用途
ダイナミックマイクは頑丈なので、大きな音を収録するのに向いています。
バスドラムやスネア、タム類、パーカッション、ギターアンプに直付け、ボーカルにも使います。
主にライブの現場で使用されることが多いです。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクにはファンタム電源というミキサーやオーディオインターフェースに内蔵されてる電源が必要です。
繊細でクリアな音質に特徴がありフラットな周波数特性が得られる一方で、湿度や温度変化に弱く雑音が発生しやすいのもコンデンサマイクの特徴です。
大音量時の歪みに対して、マイク内部で信号減衰スイッチ(PADスイッチ)をもった製品も存在します。
また指向性を変えられるものもあります。
メリット
応答が早く高音域に強く耐入力が高いので、小さい音もしっかり拾うことができます。
デメリット
動作にファントム電源(外部から電源供給)が必要になってきます。
用途
コンデンサマイクは持ち前の感度と音質を生かして、広い範囲の音の収録や、シンバル等の金物の録音にも向いています。
ピアノ、ドラムのトップマイクやシンバル、ハイハット、ギターのオフマイク、またボーカル録音でも良く使われます。
主にレコーディングの現場で使用されることが多いです。
マイクには指向性が存在する
指向性=マイクの感度、収音方向です。
マイクを選ぶ際、指向性と言う言葉がよく出てきます。
マイクにはマイクが音を拾うのに適した向き範囲があります。
単一指向性
単一指向性の中には種類があります。
カーディオイド
カーディオイドは、背面と側面からの音を拾いにくいのが特徴です。
スーパーカーディオイド
スーパーカーディオイドは、側面の感度を落とし背面を少しだけ感度を良くなっているのが特徴です。
音の回り込みを防ぎ、ハウリングマージンを稼ぎます。
ハイパーカーディオイド
ハイパーカーディオイドは、側面の感度を下がってます。
背面の被り込みが多いのが特徴です。
超指向性
超指向性は、単一指向性の中で最も鋭い指向性です。
背面および側面からの音はほとんど拾いません。
双指向性
双指向性は、正面と背面の音を平等に拾います。
側面の感度が低くなっているのが特徴です。
無指向性
無指向性は、どの方向からの音に対して、同じ感度を持っています。
ハウリングに弱い為、PAには適していません。
※コチラのサイトではさらに詳しく解説されています。
周波数特性とは?
マイクには「周波数特性」というものがあります。
周波数=音波が1秒間に何回振動するかを示す単位(Hz)です。
値が少ないと低い音、値が多いと高い音になります。
会話に必要な周波数範囲、男性と女性では声の高低に差はありますが、人間の声はほぼ250Hz~4kHzの範囲にあります。
耳で聞き取れる周波数範囲は、健康な耳の人が聞き取れる周波数の範囲は20Hz~20kHzと言われています。
マイクと一緒に使うアイテム
ポップガード
歌ってるときには口を近づけすぎたり息を吹いてしまい、必要ない音が入ってしまう事が多いので、それを防止するのがポップガードです。
ダイナミックマイクには、マイクヘッド部分の基本構造で対策が施されています。
マイクフォルダー、ショックマウント/サスペンションホルダー
構造上とてもデリケートなコンデンサーマイクは、必要な音以外の振動を収音しないようにショックマウントを使用します。
ダイナミックマイクも専用のホルダーを付けて重さをしっかり支えるために使用します。
マイクスタンド
マイクを立てる時には、必須のアイテムです。
PAやレコーディングの準備をする際に意外と忘れがちになるので、事前に何本使用するかを確認しておきたいですね。
マイクは買うよりレンタルのほうが断然安い!
売価の10分の1〜30分の1の値段でレンタルできます。
なかなか手が届かない高価なマイクも、レンタルなら安価で使用できます。
例えば…NEUMANN TLM67というマイク
購入:200,000円 → レンタル:10,600円(一日)
購入したら、市場価格で20万前後と非常に高価なものですが、レンタルの場合なら一日10,600円〜レンタルできます。
「1回使用するときだけ」「試しに使用してみたい」などの時には活用できるのではないでしょうか。
マイクの扱い方で気をつけたいこと
マイクは、叩いたり吹いたりはしてはいけない
よくマイクが鳴るかを確かめようとして、手でたたいたり勢いよく息を吹きかけたりする光景が見られますが、これはマイク自体の故障の原因になるばかりでなく、ミキサーやスピーカーを破損する原因になりますので絶対にしないでください。
マイクチェックをするときは、必ず「声」で行いましょう。