コストパフォーマンスに優れた定番のモニターヘッドホン SONY MDR-7506
SONY MDR-7506は通称「青帯」と呼ばれ、もともと海外向け仕様の業務用モニターヘッドフォンとして発売されていたもので、密閉型のヘッドフォンとしては世界的に有名で定番とされている商品です。
音楽を聴くこと特化
MDR-7506「青帯」に対して、MDR-CD900ST、通称「赤帯」というSONYの定番モニターヘッドフォンがありますが、赤帯が音素材のあら探しなど「音」を聴く事に特化した商品だと例えるなら、この青帯は「音楽」を聴くことに適した調整がなされています。
MDR-7506には日本仕様と海外仕様の商品があります。
価格は、日本仕様の商品が大手インターネット通販サイトで10,000〜13,000円以内前後。
海外版は、直輸入品が大手楽器販売店で一万円以内という非常にコストパフォーマンスに優れたヘッドフォンです。
日本仕様と海外仕様の違いはドライバーの素材のみで日本仕様はネオジウムマグネット、海外仕様はサマリウムコバルトマグネットが使われています。
そのため、音質に違いがあるのですが、今回は日本仕様のMDR-7506についてのレビューになります。
MDR-7506の仕様と特徴
https://www.youtube.com/watch?v=BCmou_SBCR0
高耐入力を誇る最大入力は1,000mW。
大口径40mmドライバーユニットで小さな音でもきちんと聞き取れるクリアさ、大きな音やブーストされた低音での音割れの起こりにくさを実現しています。
コードはカールコードが採用されています。
カールコードのデメリットである重さは多少気になる所ですが、MDR-7506のカールコードは伸縮しやすく取り回しが便利です。
ステレオ標準ジャックとステレオミニジャックに対応しているネジ込みタイプの変換プラグが付いていますので、iPodなどでの使用も可能です。
ネジ込みタイプなので抜ける心配もありません。
折りたたみ式の本体は持ち運びに便利で、キャリングポーチも付属しており、外部スタジオなどでの作業でも活躍できます。
ヘッドバンドの長さ調節は目盛り付きのクリックスケール式スライダーを採用しています。
装着感については個人差があるとは思いますが、私の場合、パッドの奥行きが浅いので耳に多少当たるという感じは受けるものの、あまり気にはならず、軽くて調度良いフィット感で長時間の使用にも充分耐えられます。
側圧は密閉型としては緩いように感じました。
MDR-7506の音質
音質については、業務用のモニターヘッドフォンをうたっているだけに、周波数特性がフラット気味なのでクラッシック、ロック、ポップ、ジャズ等、様々なジャンルに対応できます。
全音域で音の解像度が高く分離が良く、音の粒を明瞭に聴き分けることができます。
高音域は強調されているわけではないのですが、リスニング用に抑えられてはいないので刺激的に聞こえます。
中音域は解像度が高くフラットな特性で、ボーカルなど生楽器のニュアンスを余すところなく伝えます。
低音域は、膨らみがありつつ、締りがあり柔らかいパワフルな低音が特徴的です。
音場はやや狭め。定位はくっきりと感じることができます。
リスニング用途としてのMDR-7506
一方、リスニング用ヘッドフォンとしてMDR-7506をみた場合、味付けがされていないため、物足りなさを感じる部分もあるかもしれませんし、剥き出しの音が耳に痛く感じ、聞き疲れすることもあります。
また、コンプレッサーやマキシマイザーなどで音圧が極限まで上げられた近年の音源などを聴くと、歪みがはっきりわかってしまうこともあり、リスニング用として使う場合には注意が必要です。
MDR-7506の弱点
価格も安く、性能も充分なMDR-7506ですが、残念な点はイヤーパッドの耐久力です。
薄くて触れた感じも良い素材でできているのですが、約一年程度使うと、ボロボロと剥がれてくることがあります。
交換用イヤーパッドは通販でも購入でき、大手楽器販売店での価格は片耳1,000円以内です。
交換方法を紹介している動画もありますし慣れれば簡単な作業ですので、定期的な交換を踏まえた上での購入と運用をお勧めします。
http://www.techhive.com
スペック
型式 | 密閉ダイナミック型 |
ドライバーユニット | 口径40mm、ドーム型 |
感度 | 106dB/mW |
再生周波数帯域 | 10〜20,000Hz |
インピーダンス | 63Ω(1kHz) |
最大入力 | 1,000mW(IEC) |
コード | 約1.2m(伸長時約3m) |
入力端子 | 金メッキステレオ2ウェイプラグ |
質量 | 約230g(コード含まず) |
付属品 | キャリングポーチ、保証書、取扱説明書 |